債務整理コラム
大金持ちの世界から、借金とお金を見つめてみる 1
お金がなくなると人は余裕がなくなります。この余裕とは時間的な余裕であったり、また精神的な余裕であったりとさまざまなものを含みます。
お金がなくなれば人は時間を切り売りするしかありません。時給800円のコンビニバイトでも、駅前のプラカード持ちでも、少なくとも時間を売ればお金に換算することができます。国は最低時給を定めていますから、時間を売れば生きてゆくことはできるでしょう。 しかしそれは手持ちのお金に余裕がないものの、借金をしていない人に限ります。借金をしている人はいくら時間を切り売りしても、その時間に伴って借金の利息がかさみます。こうなるといくら働いてもお金がたまらない、いわゆる借金地獄に陥ってしまいます。それどころか、借金の額が大きすぎるため、働いても働いてもお金が目減りし、ついには返済できなくなる債務超過になってしまう人もたくさんいます。
では、このような事態を避けるにはどうすれば良いのでしょうか。
ヘッジファンドと巨額マネーの世界
世間ではあまり知られていませんが、ヘッジファンドと呼ばれる投資銀行が世の中には存在します。ヘッジファンドは数百億数千億という巨額の投資を行うことで世界経済の一角を担い、ときに世界恐慌の引き金になることもあります。2008年、世界中の株価が大暴落したリーマン・ショックはみなさまの記憶にもあたらしいはず。このリーマン・ショックを起こしたリーマン・ブラザーズは、いわゆるヘッジファンドの一つです。
リーマン・ブラザーズではありませんが、以前、ヘッジファンドの人と話をしたことがあります。とても単純で、人によってはくだらないと思えるような話題でしたが、その中身とは「個人がゼロから始める場合、投資と事業、どちらがお金持ちになる近道だろうか」というものです。
色々と意見を交わしましたが、元より正解が存在しないテーマですから、回答には意味はありません。ただ、その人から話を聞いて興味深かったことがいくつかあります。一つには「投資」といわれるものでキッチリとお金を儲けるのは、すさまじい金額を動かしながら朝から晩まで情報を精査してゆく必要があるということです。しかもそれで得られる金額は驚くほどに微々たるもの。
経済ニュースではよく兜町で東証株価指数を見ているスーツのおじさんたちが映りますが、本当に儲けているヘッジファンドは彼らのような丁半博打を行いません。たとえば物流のような景気動向に左右されやすい産業にヘッジファンドが投資をするとします。すると彼らは同時にITや教育のような不景気に強い産業にも投資するのです。なぜなら、どちらか一方の市場が下落しても、もう片方が儲かるように計算しているためです。
ヘッジファンドといえば、マイケル・ダグラス主演の「ウォール街」に代表されるような絢爛豪華な世界をイメージするかもしれません。しかし実際のところは、気が遠くなるほど高度な数学を駆使して、本当に少しずつ確実に利ざやを取ってゆく地道な世界でもあるのです。