債務整理コラム
債務者視点から借金「問題」を考える
人間と獣の違いはなんでしょうか。火を使うこと、道具を用いること、二足歩行をすること。諸説はありますが、回答の一つに理性があることを挙げる人もいるでしょう。理性は要約すれば、ある目的に対してまだわかっていない部分を想像する力のことであると言えます。
登山を例に挙げてみます。8000メートル級の未踏峰があり、それを登頂することを目的とします。これがどのようなものか想像してみましょう。
宗教や政治的な理由でない限り、現在の登山技術で未踏峰の山が存在すると言うことは、そこはおそらく大変に難易度の高い山であると言うこと。具体的には雪崩と落石の巣窟です。もしかしたらこれまで幾度か探検隊が出発していずれも失敗したのかもしれません。その場合、断崖絶壁を速度を上げて登攀するか、なだらかなルートを時間をかけて登るかによっても難易度は変わります。土が脆すぎても、硬すぎても岸壁を登ることはできないためです。また高度が6000メートルを超えれば酸素濃度の低下により思考力は半分に、7000メートルを超えれば3分の1以下に落ちてしまいます。さらにエベレストをサンプルにして考えると7000メートル以上の気温はマイナス20度以下となります。時速300キロを超える突風が吹くために体感温度はマイナス100度に近くなるのです。
当所は別に山岳部ではありませんが、ざっと推論をして規定してゆくだけでも未踏峰の山がどのようなものなのか漠然と思い描けるはずです。犬や猫ではこうはゆきません。
理性とは「ある目的に対してまだわかっていない部分を想像する力」であると述べました。この推論する力は人間の人間たるゆえんの一つですが、たとえば囲碁しかり将棋しかりと、私たちは日常的にこの力を用いています。では、さらにこれを一歩進めてみましょう。それはつまり、目的に対してわかっていない部分を想像することで、その問題を乗り越えるためにあらかじめ準備をしておくこと。つまり、一種の危機管理能力です。
借金の話でもこれは同じことです。借金は「問題」である以上、これを解決できないはずがありません。債務者が人間であり、理性を備えている限り、借金問題を諦めて取立屋の言うがままになると言う選択肢はないのです。これは先の登山の話と同じ。山を登る問題が体力なのか、地形なのか、温度なのか、天候なのか。これら一つひとつの問題を丁寧に解きほぐしてゆくことで、たとえ人跡未踏の山嶺であっても、人はそれを乗り越えることができるのです。
繰り返しますが、借金は「問題」なのです。みなさんも小学校や中学校で理科や国語や算数を勉強したはず。テストでは「問題」が出されます。借金もこれと同じことです。「問題」である以上、解ける方法が必ずどこかにあるのです。答えがないなどと言う選択肢は絶対に存在しません。知恵を振り絞って考えてみてください。ここで出されている「問題」は金利なのか、取立屋なのか、多重債務なのか、支払いの期日なのか、収入なのか。無駄な不安を交えずに一つひとつを解きほぐしてゆくことで必ず問題は解決できることでしょう。
またその場合に必要なのは、自分がこれまでに築いてきた偏見を捨てること。たとえば自己破産に対してこれまであまり良い印象を持っていなかったとしても、まずは当所の言葉にしっかりと耳を傾け、不安な点や気になる点を片っ端から問いただしてみることが大切です。今までは「何が何でも自己破産だけは絶対にダメだ」と思っていたその色眼鏡がなくなって、まったくデメリットのない債務整理手法として借金解決に大活躍する可能性だって捨てきれないのです。
いずれにせよ、借金問題を解決する際に最も大事なことは「目的」をきちんと脳裏に描くこと。とくに当所が他の債務整理業者と一線を画していると自負している点は、お客様の借金をなくすことはもちろん、目的を「お客様がいかに成功できる人生になるか」に置いているところです。だからこそ債務整理業者との交渉に一切の妥協はなく、お客様に対しても最もスムーズな再建案を提案することができるのです。だからこそお客様自身も思い描く理想像を単なる借金の整理に留まらず、借金を整理することで、人生の成功と幸福に向けてさらに高く、大きなビジョンを思い描いていただきたいと思っています。