債務整理コラム
債務整理をしない状況が続くと
病気は煩わしいものです。例えば風邪をひくだけで、仕事や余暇など、生活全般が狂ってきてしまいます。病が重篤であれば、将来設計そのものをも見なおさなくてはならなくなるでしょう。
借金についてもそれは同じです。ことに理不尽な理由で借金せざるを得なかったり、取立や督促が横暴だったり、または複数回返済を滞らせてしまうと、お金を返す意欲と言うものが急激に失われてしまいます。これは病で言えば悪化の兆し。返済計画から逸脱すると問題は借金の返済にのみ留まらず、人生の質そのものが低下していってしまうのです。
夏休みの宿題で考えてみれば多くの方がお分かりのはず。毎日こつこつと宿題をするのは大変であっても、これを行えなかった場合、夏休み最後の数日間になると缶詰状態で何も余暇を満喫できなった事でしょう。
では、なぜそのような事態に陥るのでしょうか。夏休みの宿題とは学校の先生に返済するもの。同じように借金をそのまま放置してしまうと、自分の価値と言うものが把握できなくなるためです。
多くの人間は労働とその見返りであるお給料によって自分の価値と言うものを認識します。このお給料の金額が高ければ同じ一日の余暇であっても、行う事がまるっきり変わってきます。要するに一ヶ月のお小遣いが100万円の人と1万円の人では行動パターンがまるっきり変わってくると言う事です。前者であれば高級なスポーツカーでドライブをするかもしれませんし、海外旅行を満喫しているかもしれません。後者であれば近くの居酒屋にいるかもしれませんし、友人とジョギングをするかもしれません。
一般の人であればこのような行為を繰り返してゆくことで自分の価値そのものが決定されてゆきます。「自分はこのような人間です」と自分を位置づけられるのです。また同時に時の経つのに従って多くの人はお給料が上がってゆくため、少しずつでも行動パターンの質は向上してゆきます。要は車好きの人であれば、初めはカローラのようないわゆる大衆車に乗っていたものの、次第に高級な車へと乗り換えてゆくと言う度合いです。その車のグレードによって「自分はこういうものである」と認識する上に、さらに「次にお小遣いが増えたらこういう車に乗り換えよう」と少し先の未来まで自分で決定づけられるわけなのです。
ところが借金が返済できなくなると一秒先の未来すらわからなくなってしまいます。また同時にお金がないために何の行動も起こせなくなるので「自分の価値」と言うものが何もなくなってしまいます。要するに鼻をつままれてもわからない真っ暗闇に突然放り出され、どこに行けば良いのかすら、わからなくなってしまうのです。
借金を滞らせると「もう知らない」となってしまいがちです。中には開き直って時効を待ったりする人もいるかもしれません。確かに借金には時効がありますが、このような事をしてしまうとお金にのみに留まらず、まるで刑務所に入れられたかのように人生の質そのものが限りなくゼロになってしまう事でしょう。むしろ刑務所の方が将来的には希望があるため、まだましかもしれません。
このような状況から逸脱するために債務整理は存在します。今借金の返済ができなくてどうしようと思っておられる方でも、債務整理は未来に対しての道を照らすものなのだと言う事を覚えておくだけで、気持ちは随分と軽くなるはずです。