債務整理コラム
借金を返済中の困難
コラムをお読みの方の中にも「債務整理をしたい気もするけれど」と思いつつも、現状のところは、こつこつと毎月借金を返済していると言う人もおられる事でしょう。借金の債務整理をしなくても、ご自分で借金を完済できる人も数多くおられますし、それはとても良い事でもあります。
債務整理を行なっていると、債務者には「借りたはいいけれど、すぐに返せなくなった」と言う方と「借金を返している最中に結局返済に行き詰まり、最終的には債務整理を行った」と言う方の二つにわかれているのが分かります。
これらを敷衍してみますと、一つ目は遠くの事まで考える余裕がなかった方が挙げられます。これは例えば突然の事故や病気などで突発的にお金が入用になり、借金したのは良いものの、とても返せる段取りが組めなくなったと言う人です。ローンを組んで自動車などの高価な買いものをしたのはいいけれど、にわかにリストラに遭ってしまったと言うケースもあるでしょう。最近では貸金業法の改正による総量規制でいきなり返済できなくなった方も含まれます。
いずれにせよ、このような方が多重債務に陥ると「もうどうにでもなれ」とばかりに投げてしまいます。100万円あった借金が101万円になったところでもはや気にもならなくなってしまい、多重債務であってもさらに借金をしたくなる人も中にはいるようです。最終的には督促状なども見なくなってしまい、にっちもさっちもいかない中で債務整理に来られる流れになってしまいます。
しかしこれはけして批判に価するものではありません。借金をする人と言うのは、借金したお金を遊興費に宛てたりするのではない限り、それまでの日常はギリギリの収入で生活をしている人が多いからです。しかし、例えば病気や急な冠婚葬祭などはいかなる人にでも訪れます。このようなときには「どうしても足りないからちょっとだけ」とアコムやプロミスなどのような消費者金融に走らざるを得ないはずです。借金をする人と言うのはこのような、いざと言うときの「のびしろ」や「あそび」の部分がないため、お金を借りてしまい、そして今度は「のびしろ」や「あそび」がない分、返せなくなると言う悪循環に陥ってしまうのです。
もう一つのパターンは、ある程度の「のびしろ」がある方です。つまり、毎月の給与などに余裕があり、月々返済していけるだけの金額があると言う人が挙げられます。これは最初に計画を立てて返済をしている人などが含まれます。しかし、借金の返済と言うものは長い期間、場合によっては十年単位もこつこつと返済を続けねばなりません。このため、例えば二百万あった借金があるときふと気づいたら百万円にまで減っていた。このような達成感に包まれてふとした折に気が緩んでしまうと言うこともあるようです。確かに「やっと百万円まで減ったんだからもうひと踏ん張り」とはなかなかいかない気持ちもよく分かります。しかしそのために「ここまで来たんだから、少しくらいは自由にお金を使ってもいいよね」とばかりにちょっと値段の張るようなアクセサリなどを買ってみたりして、結果的に元のもくあみと言うケースになってしまうのです。
もちろんこのようなケースの人をだれも責める事はできないでしょう。借金の返済と言うものはそれくらい大変なものなのです。しかしながら利息と言うものはとても無情なもの。返せなければ返せないだけどんどんと複利で増えてゆきます。例えて言えばジョギングを続けてきた人があるとき「少しくらい休憩してもいいよね」と休んでしまったばかりに、自分の走れる距離以上のノルマを課されてしまうようなものと言えるでしょう。休めば休むほどに走らなければならない距離が増えてゆけば、ある瞬間を境に誰しもが諦めの境地に陥ってしまうはず。結局は前者のパターンと同じようにずるずると借金が増えてゆき、最終的には「もうどうにでもなれ」と言う流れになってしまうのです。
このように「悠々返せるだろう」と言うアテがあっても、実際には思った以上に返済に苦労するのが借金なのです。そして借金とはローンであったり、クレジットカードであったりと様々に名称を変えて皆様の手元へとやってきています。借金をする際にはくれぐれもご注意を。